SICKNESS
病気のお話し
椎間板ヘルニアのお話し
椎間板ヘルニアとは?
- 1背骨(脊椎)を構成する椎骨と椎骨の間のクッションの役割をしている椎間板が、脊髄を圧迫して、神経マヒを起こしてしまう病気です。
- 2突然触られるのを嫌がったり、階段の昇降を嫌がる、歩き方がおかしい、立ち上がれない、歩けない、などの症状が見られたら、椎間板ヘルニアの疑いがあるかもしれません。
- 3特にダックスやビーグル、W.コーギーなどのワンちゃんで起こりやすく、手遅れになると神経マヒのため立てなくなってしまう可能性もあります。
- 4しかし早期に診断し、治療をすれば症状が改善することも多くみられます。
椎間板疾患は早期診断・早期治療が必要です
今まで単純X線検査では確定診断が難しかった椎間板疾患も、MRI検査により正確で詳細な病変部位の特定ができます。つまり、早期診断・早期回復が期待できます。
頸部椎間板ヘルニアを呈したM.ダックスフンドの一例
従来の単純X線写真 |
MRI画像 |
このワンちゃんは、来院時は食欲元気がなく頭をうな垂れていましたが、手術後2日目で軽快に歩けるようになるまで劇的に回復しました。
腰部椎間板ヘルニアを呈したM.ダックスフンドの一例
MRI画像(※赤い→が神経損傷の病変部です) |
このワンちゃんは起立不能となり、 検査後緊急で手術を行ないました。
術後2週間で歩行が可能になり、 現在も腰を温める治療で通院していますが ほぼ完治しています。
診察の流れ
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01
- 来院
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- 椎間板ヘルニアが疑わしい症状が愛犬に見られたら出来る限り早く御来院ください。
- 問診、触診、必要に応じて神経学的検査、血液検査、レントゲン検査を行ない、椎間板ヘルニアが疑わしければ、MRI検査をご提示致します。
- MRI検査を行う際、麻酔を施す必要があります。その時のリスクを少しでも軽減するために、予め念入りな血液検査を行わせていただきます。
- また、手術の際は、さらに安全を期すために、血液の凝固系(血液の固まりやすさ)の検査も行います。
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02
- MRI検査
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- 当院にてMRI検査を行います。
- MRI検査によって、椎間板ヘルニアの確定診断を行います。
- 検査結果より、椎間板ヘルニアを発症している部位の特定、その重症度、手術適応の有無について診断いたします。
- 手術適応と判断された場合、本院にて手術を行います。
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03
- 手術
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- MRI検査によって正確に特定された部位に手術を行います。
- 椎間板ヘルニアの手術は神経を傷つける可能性のある手術ですが、当院ではソノペット(神経や血管を傷つけない超音波メス)を使用して行っているため、安全性に優れています。
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04
- リハビリ
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- 術後は抜糸までの約10日間、入院・病院にて管理させていただきます。
- ワンちゃんそれぞれの病状に併せて、リハビリを選択し、スタートします。
- リハビリにはレーザー、鍼治療、歩行訓練などがあります。